リスクマネジメント関連
リスクマネジメント関連

企業のリスクマネジメント調査 (2010年)

 

有限責任監査法人トーマツ トーマツ企業リスク研究所は、2011年1月6日に企業リスクマネジメントアンケート調査集計結果を公表しました。

の調査は2002年から継続的に行われているもので、今回は9回目になります。

今回の調査では、優先対応すべきリスクについての調査結果では、1位が「情報漏えい」、2位が「地震・風水害等、災害対策の不備」と「製品、サービス品質のチェック体制の不備」(同点2位)となっています。

昨年の結果と比較すると、「財務報告の虚偽記載」への関心が低下し、一方、IFRSに関するリスクへの関心が高まっています。

東北地方太平洋沖地震による災害により被害を受けた生活衛生関係営業者等への対策


厚生労働省は、東北地方太平洋沖地震による災害により被害を受けた生活衛生関係営業者等への対策として、平成23年3月11日に特別相談窓口の設置等を行っています。

また、被害を受けた生活衛生関係営業者等の対策として、株式会社日本政策金融公庫における災害貸付の金利を0.9%引き下げる措置を講ずることとしました。

省エネルギーに向けた協力依頼

 

経済産業省より、東北地方太平洋沖地震による省エネルギーについて、次のような協力依頼がなされています。

省エネルギーに向けた協力依頼

厳しい電力の需給状況に対応するため、以下の省エネルギーに関する対応をお願いいたします。

空調
  • 暖房は19℃以下を目安に現在の設定より低くする。
  • 暖房機器は不必要なつけっぱなしをせず、運転時間を短縮する。
  • 暖房効果を高める工夫をする。
    • エアコンのフィルタの清掃
    • ウォームビス(暖かい服装をする)
    • 夜間におけるブラインド・カーテンの使用
照明
  • 人のいない部屋の照明は、可能な限り消灯する。
    • 昼間:廊下、ロビー、エレベーターホールの照明の全消灯
    • 昼間:執務室内窓側・廊下側照明の全消灯
    • 夜間:安全確保のための最小限の照明に制限
    • 昼休みの消灯の徹底
    • 終業時の一斉消灯
    • 建物の外側(野外連絡通路灯、駐車場灯、庭園灯など)の消灯
       
  • 照明は、省エネルギー型の蛍光灯や電球形蛍光ランプ、LEDを使用する。
     
  • 広告・ネオン等の点灯をできるだけ控える。
    • 点灯時間の短縮・消灯
エレベーター・エスカレーター
  • エスカレーターの使用をできるだけ控える。
  • エレベーターの稼働台数を概ね半分以下に
  • エスカレーターの運転は必要最小限に
  • 近くの階への昇降は階段を使用(2アップ、3ダウン)
トイレ
  • 温水洗浄便座、手洗い用電気給湯器の電源を切る。
事務機器・電気機器
  • 事務機器やテレビの使用をできるだけ控える。
    • 長時間席を離れる、使用しない場合には、こまめにPCをシャットダウンする。
    • プリンター、コピー機、複合機等は必要最小限のもの以外は電源を切る。
    • コピー、プリントアウトの量を必要最小限に
    • 誰も見ていないテレビはスイッチを切る。
       
  • 冷蔵庫の庫内は季節にあわせて温度調整をし、効率的に使用する。
    • 詰め込みすぎない
    • 冷蔵強度を適切に(強→中)
    • 無駄な開閉をやめる
       
  • 給湯器、電気ポット、コーヒーメーカー、電子レンジの電源を切り、コンセントを抜き、待機時消費電力を削減する。
エントランス・庭
  • 自動ドアの電源を切る。
  • 噴水や滝の運転を停止する。
自動車
  • 外出時は、できるだけ車に乗らず、電車・バスなど公共交通機関を利用する。
    • 社用車の使用抑制・効率的利用に努める。
       
  • 運転の際には、ふんわりアクセル、加減速の少ない運転、早めのアクセルオフ、アイドリングに気を付ける。
社内体制
  • 省エネルギーのための社内体制を整備する。
    • 省エネルギー担当部署・担当者の設置
    • 省エネルギー委員会などの専門組織の設置
    • 職員への対策周知
       
  • 家庭での省エネルギー対策について、職員及びその家族へ周知徹底する。
生産・営業体制
  • 生産・営業体制の合理化により省エネルギーを一層強化する。
その他
  • 電気、ガス、石油機器等の導入は、省エネルギータイプのものを選択する。



内部告発

 

勤務先の企業内違法コピー、4割が内部告発で解決

ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)が平成22年9月22日に発表した企業内違法コピーに関する従業員の意識調査(9月19日から22日まで企業に勤務する首都圏在住の10代から60代の男女を対象としてインターネット上で調査)では、次のような結果が得られました。

もし勤務先の企業でソフトウェアの違法コピーが行われていたら改善したいと思うか?
  • 改善したい …83.6%
改善のためにどのような行動をするか
  • IT担当者、法務担当者、上司や経営層と協議するなど、社内での解決を図る …54.0%
  • 社内の情報提供窓口に告知する …26.6%
  • 社外に情報提供し、社外を巻き込んだ解決を図る …10.9%
  • 何もしない …7.3%
  • その他 ・・・1.2%

この調査結果から、企業内違法コピーについては8割以上が改善を望み、さらに約4割が内部告発による解決を図るとしていることがわかります。

従業員にとって、勤務する企業の違法行為は会社に対する信頼感の喪失や仕事に対するモチベーションを低下させる原因となります。

経営者の皆さまには、企業内の違法行為が従業員等に対して及ぼすマイナスの影響について、ご理解いただければと思います。

ISO26000 (社会的責任のガイダンス) 発行

 

社会的責任の国際規格であるISO26000が2010年11月1日に正式に発行しました。

ISO26000では、「社会的責任」について次のように定義されています。

組織の決定及び活動が社会及び環境に及ぼす影響に対して、次のように透明かつ倫理的な行動を通じて組織が担う責任

−健康及び社会の繁栄を含む持続可能な開発への貢献
−ステークホルダーへの期待への配慮
−関連法令の順守及び国際行動規範の尊重
−組織全体で取り入れられ、組織の関係の中で実践される行動


また、ISO26000では、社会的責任の原則として、

  • 「説明責任」
  • 「透明性」
  • 「倫理的な行動」
  • 「ステークホルダーの利害の尊重」
  • 「法の支配の尊重」
  • 「国際的行動規範の尊重」
  • 「人権の尊重」

の7つが挙げられています。

従前、企業の社会的責任(CSR)については、コンプライアンスとは別物として考えられていましたが、ISO26000ではコンプライアンスを社会的責任の一要素として定義していることから、今後、企業はCSR経営を実践するうえで、同時にコンプライアンス経営を実践することが求められることになります。

そして、ここでいうコンプライアンス経営とは、単に法令を順守した経営ということではなく、倫理的あるいは社会的要請に応える経営、さらには、企業自らが積極的に決めて対外的に公言したことを実行していくことまでを含めた経営を指します。

ISO26000は認証用規格ではないことから、規格を満たしていることについての第三者による認証は行われませんが、今後、企業においては、ISO26000と照らし合わせながら自らの企業活動を発展させていくことが必要になるものと思われます。

やさしい社会的責任 ―ISO26000と中小企業の事例―

 

2010年11月1日に社会的責任(Social Responsibility)(注※)の国際規格であるISO26000が正式発行されました。

これを受けて、ISO/SR国内委員会では、『やさしい社会的責任−ISO26000と中小企業の事例−』を公表し、主に中小企業の方を対象にISO26000のポイントをわかり易く解説しています。

本書は、日本の中小企業の方がISO26000を理解し、社会的責任に関する取り組みを行ううえでの手引きとなることを目的として作成されたものです。社会的責任に取り組むときの留意点や、中小企業などにおける実践例などが紹介されていますので、是非、ご参照いただければと思います。

(注※)社会的責任(Social Responsibility)とは、組織活動が社会及び環境に及ぼす影響に対して組織が担う責任のことです。

『やさしい社会的責任−ISO26000 と中小企業の事例−』(PDFファイル:外部リンク)


企業不祥事における第三者委員会ガイドライン

 

日本弁護士連合会が平成22年7月15日付で「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」を公表しています。

このガイドラインは、1.第三者委員会の基本原則、2.第三者委員会の活動指針、3.委員等、4.その他、5.本ガイドラインの性質の全5章で構成されています。

本ガイドラインでは、第三者委員会について、不祥事を起こした企業が、企業の社会的責任(CSR)の観点から、ステークホルダーに対する説明責任を果たす目的で設置する委員会であると位置づけています。

いかなる場合に第三者委員会を設置すべきであるについては、本ガイドラインには特に示されてはいませんが、日弁連の公表文では、企業の経営判断マターであるとしながらも、「例えば、マスコミ等を通じて不祥事が大々的に報じられたり、情報廃止の危機に瀕したり、株価に悪影響がでたり、あるいは、ブランド・イメージが低下し、良い人材を採用できなくなったりするなど、具体的なダメージが生じてしまった企業等では、第三者委員会を設けることが不可避になりつつある」とされています。

これまでも不祥事が発生した際に第三者委員会が設置されたことはありましたが、第三者委員会の構成、調査方針や調査報告のあり方などは様々であり、疑問視せざるを得ないケースも認められていました。

今回、このような指針が示されたことにより、今後は、ある程度このガイドラインに示された内容に沿った対応がなされるようになるものと思われます。

京都地裁判決H22.10.29 発信者情報開示等請求事件


[インターネット上の電子掲示板にされた書き込みが名誉毀損に当たるとして経由したプロバイダに対する発信者情報のプロバイダ責任制限法4条1項に基づく開示請求を認容した事案]

本件は、A大学の准教授である原告が、自らの講義を受講していた女子学生と性的な関係を結び、教育環境を悪化させてとして、同大学から停職1か月の懲戒処分を受けたという書き込みがなされたことから、原告が被告である経由プロバイダに対し、発信者情報の開示請求をした事案です。

裁判所は、本件書き込みの内容が真実ではないことを認定したうえで、「本件発信者において、上記記載内容が事実であることの確認をとった形跡はうかがわれない上、真実であると信じていたかどうかにつき言及すらされていないのであるから、上記摘示に係る事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があるとは認められず、違法性阻却事由をうかがわせる事情は存在しない」などとし、また、本件書き込みにより原告の社会的評価が低下したものと認めるのが相当であるとして、原告の請求を認容しました。


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